バッカジャネーノ

普通が分からないが普通が欲しい

JSがネットのおっさんにホイホイ会いに行った話

スマホが普及する数年前の話

小4位だったと思う、当日はそこまでインドア派でなく男女共に遊ぶごくごく普通の小学生

と、言いたい所だが当時からなかなか素質のある陰キャの1面も併せ持っていた。そこは後々書くので置いておく

4人兄妹の末、兄姉は基本部活などで帰りも遅く、共働きで鍵っ子の自分はキッズケータイを持たせて貰って共用のパソコンがあるなどのインターネット環境が実に充実しており、また、ぼっち時間が十二分にあった。

ゲーム機は無かった訳ではないし、当時はプレイステーションチョコボレーシングデジモン育成を楽しんでいたが、その日はネットのチャットで遊んでいたのである。

うろ覚えだが、3つほどのチャットルームに入室した。

1つ目は至って普通の、勉強の会話で何故か私が小学生でありながら高校生で特待生などと大ボラを吹き鳴らしてイキリキッズと化していた。

その部屋の人々は優しくそうなんだね、と返してくれていて調子に乗り放題でイキリ散らして満足して退室した。なんだよ、理科の特待生って、誰か止めてくれ

2つ目からやばかった、女子限定のチャットルームで入って見るといきなり服を脱げと司令が飛んでくる。
何故なのかと問うたがとりあえず脱げというので、エッチなのは無しで、と言ったらはぁ!?と、キレられて追い出された。理不尽。

3つ目がタイトルであるおじさんだった。
人が少なくてチャットルームに2人きり、歳を聞かれて普通に答えた。

それからエッチなチャットとか多いよね?、エッチな事した事ある?みたいな会話があったような無かったような事を繰り返し聞かれてわかんね、で返したらメールをしようとアドレスを教えられた。

そこからは実名の方を教えて欲しいと言われた。

個人情報への意識も無いままに、小二病を罹患していた為に偽名を答えた。

おじさんと名前で呼び合い、顔写真を求められ私は精いっぱい可愛く見えるように普段気にもしない身嗜みを整えて無加工で送信、一緒にマクドに行こうとも誘われた。

当時の私の頭の中は新しいお友達の姿を思い浮かべ盛り上がって、どこにでもいるような風貌くらいの優しいお兄さんを思い描いて遊びに行くことに躊躇無く、ご近所のスーパーの駐車場に待ち合わせた。

先に店で待っていた私に声を掛けたのはくたびれたタンクトップでくたびれた短パン、中肉中背のモサイ頭のおじさん

その時の私のショックは半端無かった。

ごく普通、のどこにでもいるような風貌ですらない夏のエアコンの無い部屋から出てきたようなくたびれたおじさんで、私が描いた理想像は一気に吹き飛んだ。

嬉々として話掛けてくるおじさんの車に一応助手席に乗りはしたが、後部座席はフラットにしてあって、布団が敷いてあったので私は車上生活かよやべー、となって会話どころじゃない。

やっぱり用事あるから帰るわ、と速攻で帰ることにした。

おじさんは本当に他の子とマックとか行ってたから等慌ただしく述べていたが、私が車から降りると他の子を紹介して、これでテンション上がる子とかいるかもだからと言っていたが曖昧に返答して私はおじさんと別れた。

その後はおじさんからの連絡は無かったし、個人情報を盾に脅してくることも無かったし、周りをうろつくようなことも無かった。

残念ながら、私が思い浮かべたような普通の人はそもそも知らない女児に近づかないのである。

そして、最近某ゲイの方の漫画で後部座席に布団を置いている描写があるのを知った。